『白い巨塔』(山本薩夫監督)日本映画専門チャンネルHDで放送! [懐かし映画・ドラマ]
『白い巨塔』(1966年、大映)が7日の13時30分から、日本映画専門チャンネルHDで放送されます。主演は田宮二郎。監督は山本薩夫。モノクロです。原作は山崎豊子の長編小説。昨年秋に亡くなって以来、山崎豊子原作の映画が放送されていますが、やはりこの『白い巨塔』が私はもっとも印象に残っています。
田宮二郎版白い巨塔というと、1979年に制作されたフジテレビのドラマもあります。
原作はもちろん同じで、他の出演者も一部重なるのですが、映画版は、医師の権力欲や誤診を真っ向から厳しく問う社会派としてのイメージが強く、テレビドラマの方は財前五郎という人間の弱さや、一方で里見脩二の医師としての誠実さを描いています。
これは、映画の監督が山本薩夫という社会派監督で、一方テレビのほうは全31回とより長い時間があったことで、細かい人間描写もできたからだと思います。
山本薩夫監督は厳しく切り込んでいます(予告編より)
細かいところでは、映画では田宮二郎は京都弁を使っています。京都出身で“ネイティブ”な京言葉を使えるはずの田宮二郎ですが、テレビでは、義父の財前又一や、妻の杏子との会話でしか話していませんでした。
あと、映画版では財前教授に髭がありましたね。これも権威や悪役としてのイメージなんでしょう。山本薩夫監督の財前五郎をどう描くかという意図が伝わってきます。
キャスティングにも特徴があります。
東貞蔵教授役は、映画版ではストレートに相手をやり込めるタイプで東野英治郎が起用されています。テレビの方は、策略家で嫌味なインテリとして描かれ、中村伸郎が好演していました。
教授選の対抗馬として候補になった菊川昇教授は、映画では大映の2枚目俳優・船越英二で、テレビの方は米倉斉加年でした。
まあ、ひ弱な学究の徒というイメージならテレビのほうがあっているかもしれません。テレビのほうが劇画チックでしたからね。
大阪地裁の裁判官が松下達夫。この人は『可愛い花』(1959年、日活)でザ・ピーナッツの父親役を演じるなど、いろいろな映画やテレビドラマにでている、この作品時点ですでにベテランです。
テレビドラマ『ありがとう』第3部では、園佳也子の夫役でしたが、出演者のクレジットは大きくなかったので、昔の作品で重要な役を演じているのを知ってちょっとびっくりしました。
ストーリーはわかっていても、出演者の懐かしさや、テレビとは違った描き方などを確認する興趣があります。
興味のある方はぜひご覧ください。
【関連記事】
>>『白い巨塔』、田宮二郎と児玉清の脚本を超えた対決が楽しみだった
田宮二郎版白い巨塔というと、1979年に制作されたフジテレビのドラマもあります。
原作はもちろん同じで、他の出演者も一部重なるのですが、映画版は、医師の権力欲や誤診を真っ向から厳しく問う社会派としてのイメージが強く、テレビドラマの方は財前五郎という人間の弱さや、一方で里見脩二の医師としての誠実さを描いています。
これは、映画の監督が山本薩夫という社会派監督で、一方テレビのほうは全31回とより長い時間があったことで、細かい人間描写もできたからだと思います。
山本薩夫監督は厳しく切り込んでいます(予告編より)
細かいところでは、映画では田宮二郎は京都弁を使っています。京都出身で“ネイティブ”な京言葉を使えるはずの田宮二郎ですが、テレビでは、義父の財前又一や、妻の杏子との会話でしか話していませんでした。
あと、映画版では財前教授に髭がありましたね。これも権威や悪役としてのイメージなんでしょう。山本薩夫監督の財前五郎をどう描くかという意図が伝わってきます。
キャスティングにも特徴があります。
東貞蔵教授役は、映画版ではストレートに相手をやり込めるタイプで東野英治郎が起用されています。テレビの方は、策略家で嫌味なインテリとして描かれ、中村伸郎が好演していました。
教授選の対抗馬として候補になった菊川昇教授は、映画では大映の2枚目俳優・船越英二で、テレビの方は米倉斉加年でした。
まあ、ひ弱な学究の徒というイメージならテレビのほうがあっているかもしれません。テレビのほうが劇画チックでしたからね。
大阪地裁の裁判官が松下達夫。この人は『可愛い花』(1959年、日活)でザ・ピーナッツの父親役を演じるなど、いろいろな映画やテレビドラマにでている、この作品時点ですでにベテランです。
テレビドラマ『ありがとう』第3部では、園佳也子の夫役でしたが、出演者のクレジットは大きくなかったので、昔の作品で重要な役を演じているのを知ってちょっとびっくりしました。
ストーリーはわかっていても、出演者の懐かしさや、テレビとは違った描き方などを確認する興趣があります。
興味のある方はぜひご覧ください。
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