肉系ファミレスメニュー。お気に入りのお店はありますか。『実話BUNKAタブー』(2014年1月号)に、「『お願い!ランキングGOLD』の第1回お肉総選挙選出メニュー食べ比べ」という記事があります。
タイトル通り、テレビ朝日『お願い!ランキングGOLD』(2013年6月15日放送放送)の「第1回お肉総選挙」で選ばれた、肉系ファミリーレストランの肉料理ベスト20が本当にその順位にふさわしいかどうかを、実際にライターが食べて確かめた、という内容です。
同誌では「まずいものシリーズ」でお馴染みの、亀井シズカ氏のクレジットが入っています。
どっちが美味しいという話は好みの問題が大きいと思いますし、そのおいしさ(まずさ)を文章で表現するのはむずかしいと思いますが、亀井シズカ氏は例によってすべてを食して具体的にあれこれ手厳しく書いています。
【過去のまずいものシリーズ】
>>イタリアンファミレスチェーン、一番不味いのはどこ?
>>カレーライス、アノ店はどうしてまずいのか
同じ店でもメニューごとに評価
まず結論である順位から書いてしまいますと、こうなっています。
番組の順位 | 同誌の順位 | お店 | メニュー |
1 | 7 | とんかつ和幸 | ロースカツご飯 |
2 | 19 | ビッグボーイ | 大俵ハンバーグ225g |
3 | 6 | とんかつ和幸 | ひれかつご飯 |
4 | 18 | ステーキけん | ハンバーグステーキ |
5 | 12 | とんかつ和幸 | 一口ひれかつご飯 |
6 | 1 | フォルクス | US産熟成サーロインステーキ200g |
7 | 14 | ビッグボーイ | 手ごねハンバーグ150g |
8 | 13 | ふらんす亭 | 和風ハンバーグ |
9 | 8 | とんかつ和幸 | さざんか(チーズ入りメンチなど) |
10 | 3 | ステーキのどん | 熟成リブロインステーキ |
11 | 20 | ステーキけん | 和風ハンバーグ |
12 | 5 | とんかつ和幸 | あじさい(揚げ物5点盛) |
13 | 11 | とんかつ和幸 | あざみ(チーズ紫蘇巻など) |
14 | 17 | ビッグボーイ | ブラックアンガスサーロインステーキ |
15 | 16 | ステーキけん | プレミアけんステーキ |
16 | 2 | ステーキのどん | どんハンバーグ190g |
17 | 10 | とんかつ和幸 | ヒレロース盛り合わせ御飯 |
18 | 15 | ふらんす亭 | レモンステーキ |
19 | 9 | とんかつ和幸 | レディースセット『葵』 |
20 | 4 | ステーキのどん | チーズinハンバーグ150g |
番組が第1位にした、とんかつ和幸の「ロースカツご飯」についてはこう書かれています。
まあとにかく1位なんですから余程美味しいに違いありません。
ちなみに番組では「創業当時から絶大な人気を誇る売上ナンバー1商品」「使用されるのは良質のロースを熟成させたもの」「ロースでこんなアッサリしてるのが不思議」と大絶賛ですが、実際は大したことはありません。
アッサリしているというのは確かですが、むしろ淡白にもほどがあります。脂分がほとんどないので、肉の旨みが感じられません。ソース無しじゃ食べられたもんじゃないです。ちなみにソースは美味しいです。
近くに和幸がないので、駅ビルに入っている売店でたまに買いますが、同じ駅ビルに入っている「とんかつ まい泉」や「新宿さぼてん」と同じ名前の商品(例、ひれかつ対ひれかつ)で比べると、和幸は値段が若干安い分、サイズも小さいですね。そのかわり、キャベツの千切りがついてきます。
まい泉はかつサンドが売り物だけあって、柔らかくてピンクで厚めの肉がいいですね。
私の好みで言えば、まい泉>さぼてん>和幸、かな。あくまでも「持ち帰り」商品についての私の好みですよ。
亀井シズカ氏は、和幸のメニューは評価が高いものもあれば低いものもあります。
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「ひれかつご飯」が番組では3位のところを「肉質はほどほど」と6位にとどめているのはいい方で、「一口ひれかつご飯」が番組5位のところを「衣だらけで胸焼け必至」と12位とベスト10から外しています。
一方で、「レディースセット『葵』」は「特に美味しいものがない」としながらも「特にまずいものもない」のか、番組で19位のところを9位に引き上げています。
当然かもしれませんが、メニューごとに是々非々で見ているのでしょう。
一方、同誌の栄えある1位に輝いたのは、フォルクスの「US産熟成サーロインステーキ200g」です。
第6位は『フォルクス』の「US産熟成サーロインステーキ」。「旨み、柔らかさ、シューシーさ、すべてにこだわった」「ボリュームと高級感があり食べごたえ十分」とか言ってます。もうね、こんな嘘つき番組に騙されませんよ! と思ったんですが、このメニューに関してはこちらが間違いでした。正直、美味しいです。肉の外がカリッとしていて、中が本当にジューシーなんです。明らかに肉自体のレベルが他とは違います。これと比べたら『ビッグボーイ』とか『けん』とか、完全にクソ以下です。本当に同じ牛という動物の肉なんでしょうか? ちょっと値段は高いけど、ファミレスで肉食べるなら、絶対に『フォルクス』に行くべきです!
他店の名前を出して比較するのは、日本の文化としては望ましくないことになっています。
でも、わかりやすいですよね、そう書いてもらったほうが。素朴に「どっちがおいしいの?」という疑問はあるわけですから。
2380円と943円を比べても……
ただ、留保を付けたいのは、値段が2380円の「ステーキ」であるということ。
勝負、はじめっから決まっていると思いませんか。
値段が半分以下の、「手ごねハンバーグ」(ビッグボーイ、943円)や「和風ハンバーグ」(ふらんす亭、943円)と比べるのは、ヘビー級とライトヘビー級を戦わせるようなものでしょう。
そもそも、ステーキとかつ、どっちが美味しい? という比較自体、意味あんの? という気がしますし、「肉系」ですべてをくくるのはやはり無理があるのではないでしょうか。
ステーキ部門、ハンバーグ部門、かつ部門に分けて、さらに値段による「階級別」にして比べないと、公平ではありません。
ま、これは同誌の問題ではなく、そもそも『お願い!ランキングGOLD』という番組自体の問題なのですが。
もちろん、亀井シズカ氏とは異なるご意見もあると思います。
いずれにしても、美味しいものはテレビ番組に任せず、自分の舌で確かめるしかない、ということでしょう。
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