「マスコミ様にたてつくバカども」という、挑発的なタイトルの記事をカラーページに掲載しているのは『実話BUNKAタブー』(12月号)です。
芸能人やスポーツ選手、政治家など、今まで散々メディアにプッシュされて現在がある人たちが、ひとたび自分に都合がわるい話が報じられると、「『マスゴミ』が口癖の単細胞ネット民を味方につけて被害者気取り」しているというのです。
その人たちは、自分が報道被害にあっているかのように主張し、「マスゴミ批判」者たちに同情してもらうことで、自分をかばってもらう風潮をつくってもらい、マスコミに仕返ししようとしている、という話です。
そういう自分勝手な人々は一体誰か。
面々と簡単な説明を同誌から抜粋します。
宇多田ヒカル……大衆相手に何百億も荒稼ぎしておいて、藤圭子が亡くなってマスコミに追いかけられると「怖くて気持ち悪かった」というが、そんなものは“荒稼ぎ有名税”「そもそも亡くなった母親を病んでいると自分で公表して“盛り上げ”た人がよく言うよ!」←カギカッコだけは私の意見
安藤美姫……自分で勝手に出産の告白などメディアを使ってしておきながら相手の名前を隠し、詮索記事を書かれると「真実じゃないことを報道するの……信じられない」とツイートするかまってちゃん
橋下徹……メディアを使ってのし上がっておきながら、自分の都合がわるいことを言われると会見拒否していたら次第にメディアに名前が出なくなり、選挙も惨敗とオワコン化
みのもんた……他人に厳しく自分に甘い。ワイドショーであることないこと言ってきたのに、身内が逮捕されると「いじめに近い中傷もあった」とマスコミ批判
安倍晋三……嫌なことがあるとすぐフェイスブックに引きこもり。最高権力者のくせに、どんだけ(本誌のママ)小心なんだか
ローラ……雑誌記事に「嘘を書くなんて最低」と不快感。父親が国際的な詐欺師だと思うと、「最低」という言葉も味わい深い
山本太郎……批判記事が出ると独自の「陰謀論」を振りまく日々。ダサかったからちょっとイジっただけなんですけど
などなど、ほかにも中田英寿、本田圭佑、民主党、島田紳助など、マスコミに世話になっておきながら、自分勝手にマスコミ批判を繰り広げた有名人、政党を揶揄しまくり。
さらに、その人たちの「味方」として、ネットで「マスゴミ」批判を繰り広げる「情弱ネット民」((c)同誌)の馬鹿馬鹿しい論調も嘲笑っています。
書かれている見出しを挙げると、「バカの一つ覚えでフジ=韓流バッシング」「五輪に反対しても賛成してもバッシング」「安倍晋三高級カレー取り上げたらバッシング」「安藤美姫出産是非を聞いたらバッシング」「とにかく麻生太郎を批判したらバッシング」など……
そういえば、そうですね。
それらの「バッシング」には、どう転んでも何が何でも言いがかりを付けたいだけの不毛さを感じます。
ただ、彼らは「言いがかりを付けたいだけ」だけで、その人たちの本当の味方ではないので、「味方」のような書き込みをしながらも、一方では舌鋒鋭いこきおろしも行っています。要するに不見識に遊んでいるだけです。
ですから、同誌の冒頭の見出しは、「味方につけて」ではなく、「味方につけたつもりになって」とした方がいいでしょうね。
同誌の批判はそれだけに終わりません。
「マスコミが偉い理由」として、大衆に対しても一言しています。
「津波が来ても報道してくれないと知らないで流されちゃうでしょ」「バカは政治家や有名人のコトすぐ鵜呑みにしちゃうでしょ」など、マスコミの意義を強調しながら大衆の弱点もおちょくっているのです。
マスコミがなかったら、あんたらバカは困るでしょ、というわけです。
もう書きたい放題ですね。
もっとも、記事の論調は、「マスコミ様にたてつく」というタイトルでもわかるように、「炎上商法」を狙ったと思える書き方。読者がイラッとくることをむしろ望んでいるのでしょう。
書いてあることはその限りでは間違いとも思えません。
上記の有名人たちが、メディアを都合よく利用しようとしている“身勝手な了見”であることや、「情弱ネット民」や、「マスゴミ」とののしる人たちの「マスコミ批判」が、そこに前向きで建設的なものを感じることができない憾みがあることも確かだからです。
マスコミが、「様」とつけるほど偉い存在かどうかはともかくとして、言論が強いこと自体は、ある意味、近代的な民主国家として健全な姿だとも思います。
ただし、ただしですよ、「嫌なら見るな」というのが最近のネットの流行語になっているように、いくら「マスコミ様」と威張ったところで、国民に見放されたらメディアとしてはやっていけません。
結局、受け身ではあっても、根本的には国民がマスコミをコントロールすることができるのです。ここが大事なところです。
そのためには、「
バカは政治家や有名人のコトすぐ鵜呑みにしちゃうでしょ」なんてことを書かれないように、私たちがしっかりしなければなあ、と思います。
そう、思いませんか?
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