小川真由美の談話が久しぶりに読めました。『アサヒ芸能』(11.7特大号)の記事です。これまで放送されたドラマの最終回の視聴率を高い順に30作品並べて、その中のいくつかのドラマについて詳しく書くという構成です。小川真由美や池上季実子、鎌田敏夫氏らがかつての人気ドラマを振り返っています。タイトルは『あの「モンスター視聴率ドラマ」伝説の最終回秘話!』です。
このての企画は、データと、ライターの当時の記憶や主観でお手軽にまとめてしまう、ネタ切れ時に使う企画であることが多いのですが、今回の特集記事は、ひとつの番組を振り返る(わずか1ページ程度)のに、それぞれ関係者にきっちりインタビューをしている意欲的な作り方です。
数字のランキングはむしろマクラで、番組を振り返る関係者インタビューのほうがメインと言ってもいい記事でしょう。
一応、視聴率ランキングも引用しますが、
1,積木くずし(TBS)
2.水戸黄門第10部(TBS)
3.半沢直樹(TBS)
4.ビューティフルライフ(TBS)
5.熱中時代(日本テレビ)
5.太陽にほえろ!(日本テレビ)
5.家政婦のミタ(日本テレビ)
8.3年B組金八先生(TBS)
9.ひとつ屋根の下(フジテレビ)
10.GOOD LUCK(TBS)
(以下割愛)
となっています。
こうしてみると、「ドラマのTBS」という言い方は、テレビ史的にはまだ生きていますね。
関係者インタビューですが、まず、『積木くずし』では、前田吟や高部知子ではなく、なんと出家したといわれる小川真由美をつかまえています!
小川真由美は、原作者の穂積隆信と個人的な交流もあったそうなので、もちろん人選としてはピッタリですが、
それにしても、女優としてはわがまま放題で仕事を干された、占いに熱中して家を追い出されたなどと、実の娘に暴露本を書かれっぱなしでフェードアウトしていた人が、こういう企画でまたメディアに出てくれたことが嬉しいです。『アサヒ芸能』はいい仕事をしました。
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『3年B組金八先生』では、中心となる生徒役だった川上麻衣子と直江喜一に、『スクールウォーズ』は松村雄基に話をさせています。
『熱中時代』『男女七人夏物語』は、池上季実子に撮影時のエピソードを、『男女七人夏物語』の脚本を書いた鎌田敏夫氏には『俺たちの旅』や『金曜日の妻たちへ』を思い出してもらっています。
これまた興味深い話が出ています。
『俺たちの旅』。リアル放送の頃は、私には少し難しい話でした。
が、年をとって再放送で見ると、決して優等生ではない若者の挫折や動揺、社会の矛盾などが活写されていて、見た後に感じる切なさが何とも心地よいドラマであることがわかりました。
このドラマには、途中から森川正太という俳優が浪人生の“ワカメ”役で登場するのですが、放送の10年後に、私は、森川正太さんと仕事をする機会があり話を伺ったことがあります。
旧森川正太公式サイトより
腰が低くて、誰とでも気軽に話せて仲良くなって人脈を広げる方でしたね。
きっと撮影現場も、森川正太さんがいると楽しくなっただろうなあ、日本テレビの青春ドラマ御用達だったのはこういうところも評価されたのかなあ、なんて思いました。
そのときも、ある俳優を紹介してもらい、その人についてはその後も舞台を見に行くなどお付き合いが続いたのですが、森川正太さんとはそれっきりになってしまいました。
ネットで検索すると、寂しい情報も書かれていますが、今回のような企画で、森川正太さんに青春ドラマを振り返ってもらえたらいいだろうなあと思います。
話は戻りますが、記事では池上季実子が、こう語っているのが印象的です。
「水谷さんにもさんまさんにも『これ、絶対数字取る』って言ったら、両方とも取っちゃって。高視聴率を取れた秘密は、この間まで私がハマっていた『半沢直樹』と同じだと思います。ドキドキワクワクさせてくれて、次が見たくなる。その当時もまったく同じで『録画じゃイヤ、今見たいの』という気持ちの視聴者ばかりだったんですよ。出演者やキャストさえ先を争って見たくなる。そんなおもしろいものをやれば、数字は上がるんです」
地上波番組が全般的に数字をとれなくなっていると言われますが、現場の俳優は決して意欲を失っているわけではありません。
私たち視聴者も「ドキドキワクワク」ドラマが出てくることを期待しましょう。
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