ドラマ主題歌の記事が今週売りの週刊誌にありました。「テレビ開局60周年メモリアル」というサブタイトルで構成されている特集は、『アサヒ芸能』(10月3日号)の『男たちをたぎらせた「ドラマ主題歌」BEST70』という記事です。
要するに、思い出に残るドラマ主題歌を枚挙するという企画です。内容にはいささか「?」もありますが、思い出企画は、ある程度の年代になるとだれでも興味深く見ることができる読み物です。
さて、内容は、「35作の35曲」というのですが、最初に突っ込んでおくと、どうして「35曲」なのにBEST「70」なのかわかりません。
たぶん、その35(作)と35(曲)を足したということかなと思うのですが、つまり「主題歌」だけでなく「作品」もカウントされているわけですね。
思い出に残る主題歌なら作品も胸に残る、というのはわかるのですが、だったら「ベスト35(ドラマ&主題歌)」でもいいと思うんですけどね。今風に言うと「盛った」感じもします。
それと、「ドラマ主題歌」という記事のテーマですが、主題歌で選んでいるのか、ドラマで選んでいるのか、曖昧です。
というのは、そもそも「主題『歌』」ではない、つまり歌詞が入っていない「主題曲」のものもあるからです。
たぶん、十分なスタッフと時間を与えられないまま記事を作ったのかな、という気がします。
こういう企画って一見楽そうですが、候補がたくさんありますし、世代によって評価も変わるので、実は大変難しい仕事なんですね。この分野に精通した異なる世代の複数のライターで書いていかないといいものができません。
内容をみていくと、トップページ上段に、
『太陽にほえろ!』(井上堯之バンド『太陽にほえろのテーマ』)、そして
『西遊記』(ガンダーラ『ゴダイゴ』)と、日本テレビの70年代ドラマが横綱格で紹介され、その下には
『必殺仕掛人』(山下雄三『荒野の果てに』)
『踊る大捜査線』(織田裕二『Love Somebody』)が並びます。
若い世代にも通じるよう『踊る大捜査線』を入れていますが、ターゲットは40代後半以上ということがわかります。
次の見開きには、
『傷だらけの天使』(井上堯之バンド『傷だらけの天使』)
『探偵物語』(SHOGUN『Bad City』)
『木枯し紋次郎』(上條恒彦『だれかが風の上で』)
『銭形平次』(舟木一夫『銭形平次』)など、刑事・探偵物と時代劇から、さらにその次の見開きは、
『これが青春だ』(布施明『これが青春だ』)や
『時間ですよ』など、青春学園ものやホームドラマなど、ドラマのジャンルごとに選んでいます。
が、『時間ですよ』は肝心の主題歌が書いていません。いったいなんの企画なのでしょうか(苦笑)
70年代ドラマオタクとして私が補足しますと、『時間ですよ』は第1、第2シリーズは音楽だけ、主題歌は第3シリーズで森光子さんが歌っています。
そして最後のページには「平成のメガヒット」として、平成に入ってからのドラマを選んでいます。
ちゃっかり
『あまちゃん』(大友英良『オープニングテーマ』)や、
『半沢直樹』(服部隆之『サウンドトラック』)も入れて流行に乗っかろうとしていますね。
『あまちゃん』の斜め上には
『素顔のままで』(92年、フジテレビ)で歌われた『君がいるだけで』(米米CLUB)が紹介されていますが、ふた昔たってもいいドラマであり主題歌だったと思えるものなので、ドラマが今話題になっているに過ぎない『あまちゃん』なんかと並べないでくれよ、と私は思いますけどね(笑)
それと、「米米CLUB」が「米米クラブ」と書かれているんですが、Google日本語入力でも、ちゃんと一発で「米米CLUB」と出てくるのですから、商業媒体にはちゃんと書いて欲しかったなと思います。
まあ、そうした記事の質はともかくとして、たしかにテレビドラマは、作品とともに主題歌も思い出深いもの。記事で紹介されている作品に同意するもよし、「いや、自分だったら○○だろう」と、別の作品を挙げて思い出すのもいいでしょう。
興味のある方は同誌をご覧ください。
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