おニャン子クラブ。80年代中盤に一世を風靡し、一部の批評家から“85年代”なる歌謡史上独自の時代区分までされているグループです。AKB48のプロトタイプとして、今も時折芸能マスコミでは名前が取りざたされます。
その中の4人が、「ニャンギラス」という“色物”担当ユニットとして独自に歌をリリースしたことがありますが、芸能ニュースではそのニャンギラスの再結集が報じられました。
ニャンギラスも再結集!日本のアイドル史たどるジャケ展
東京・タワーレコード渋谷店8F「SpaceHACHIKAI」にて、7月25日よりアイドル音楽のジャケットギャラリー展「ミュージックジャケットギャラリー2013『日本の女性アイドル 500ジャケット 1970-2013』」が開催される。
この展示会では、1970年から現在に至る「日本の女性アイドル」の歴史を彩ったシングル盤ジャケットの現物が500点以上展示。さらに会場では高画質・高音質のBlu-rayソフトが独自のプログラムで上映される。(中略)
そして最終日の7月28日には、おニャン子クラブの派生ユニット「ニャンギラス」のメンバー、立見里歌、樹原亜紀、名越美香、白石麻子の4人が全員揃って登場するイベント「おニャン子クラブ TALKSHOW~ニャンギラス再結集!の巻」 が行われる。
http://1d.to/daf
ニャンギラスで、現在かろうじてメディアで名前が見られるのは立見里歌ぐらいでしょうか。
その立見里歌と白石麻子の2名は、おニャン子クラブ25周年だった2011年に、サントリー缶コーヒー「ボス 贅沢微糖」のCMに出ていますが、今回はオランダ人と結婚した樹原亜紀や、香港人と結婚した名越美香も駆けつけるらしい。
例によって口さがないネット掲示板では、「みんな金に困ってるんだねぇ」なんてことも書き込まれていますが、昔売れたグループが一時的に再結成するのはよくある話ですし、まあ、売れるものは売れる限り何でも売ろうということでしょう。
http://geinou.tank.jp/?p=2432
そのニャンギラスの4人が所属するおニャン子クラブは、27年前の1986年7月21日に、『お先に失礼』という歌をリリースしています。
ただレコードの発売日は21日ですが、2日前の7月19日には、2時間半の講演で2万5000人を動員した横浜スタジアムから夏のコンサートツアー『おニャン子パニック』で歌っているので、事実上19日がお披露目の日ということでいいのではないかと思います。
お先に失礼/プリントの夏
お二ャン子クラブ/内海和子
作詞 秋元康
作曲・編曲 後藤次利/佐藤準
キャ二オン
1986年7月21日
『お二ャン子ザ・ムービー危機イッバツ!』(東宝)テーマソング
『夕やけニャンニャン』(フジ)テーマソング
『夕やけニャンニャン』というフジテレビが放送した夕方5時の帯番組に誕生した、女子高生を中心とした“シロウトの”グループは、タレントと視聴者の一体感を演出することに成功。同番組を、その時間帯では驚異的な11~13パーセントの平均視聴率に引き上げました。
実働は2年でしたが、オリコンは初登場1位至上主義(ちなみにニャンギラスも1位を獲得)を確立し、おニャン子クラブとしてのヒットはもとより、メンバーのソロ・デュオ・グループなどの出す曲出す曲の全てがヒットチャートの上位に進出。総売上も100億を遥かに超えました。
そんな彼女たちのグループ5枚目のシングルが『お先に失礼』です。
『夕やけニャンニャン』の冒頭に主題歌としておニャン子クラブが歌っていましたが、
メインボーカルが岩井由紀子、富川春美、渡辺満里奈、布川智子。バックは前列が向かって左から新田恵利、ニャンギラス、国生さゆり、福永恵規、内海和子、高井麻巳子、城之内早苗、吉沢秋絵、渡辺美奈代で、後列が右から永田ルリ子、横田睦美、山本スーザン久美子、岡本貴子、弓岡真美、工藤静香、高畠真紀、生稲晃子でした。
最初は3列でしたが、この時期は吉沢秋絵や渡辺美奈代の「欠席」が多かったので、いつのまにか2列になってました。工藤静香が遅刻して、イントロが流れているときに飛び込んでくることもありました。
このへんは、当時毎日録画して何度も見ていたので間違いありません(笑)
このころ、私は病み上がり(結核)でせっかく入りなおした大学は挫折。仕事もせずブラブラしていたので、時間だけはたっぷりあり、日々おニャン子クラブ鑑賞にふけっていたのです。
『お先に失礼』はチャートの方はオリコンでは1位を、『ザ・ベストテン』では7位になっています。
2004年には、W(辻希美・加護亜依によるユニット)が発売したアルバム『デュオU&U』でカバーされました。
歌の中身ですが、何が「お先」かというと、要はカレシをゲットする話です。
夏の間がチャンスという他愛ないものですが、彼女たちが歌うことで明るさと親近感が視聴者を惹きつけた……のでしょう。
当時は、最前列で歌うボーカルに抜擢された渡辺満里奈のインパクトがすごかったですね。
レギュラーの石橋貴明が、「満里奈はウチ(の事務所)で抑えておけって言ったんです」と何度も言ってましたから。
彼女に声援がとぶと、国生さゆりが露骨に嫌な表情をしてふてくされた態度をとり、渡辺満里奈がそれにビクついている光景がそのままオンエアされるのはちょっとびっくりしましたけどね。
もっとも、国生さゆりは自分のキャラ作りのために“お約束”でそのような態度をとっていたのかもしれません。そういうプロ意識はすごかったようですから。
現在、渡辺満里奈はおニャン子クラブ時代を黒歴史扱いしていますが、新田恵利が某誌のインタビューで言っていたように、なぜ、ないものにしたがるのかはわかりません。
ウルトラマンシリーズなども、出演者がかつての栄光で商売し続けることに賛否両論ありますが、一方で、ウルトラマンタロウを演じた俳優のように、絶対に出てこない人もいます。
演者もファンもいろいろ考えはあるでしょうが、過去にそういう仕事をしていた、ということは事実です。
少なくとも“なかったこと”のようにふるまわれると、当時のファンとしてはやはりさびしいなあと思います。
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