SSブログ

おしゃもじさま、ぬめり坂、遺跡の町、久が原・千鳥町 [大田区散歩]

おしゃもじさま、ぬめり坂、遺跡……とタイトルに並べましたが、これは東京都大田区・久が原に欠かせない散歩コースです。先々週から始めた大田観光協会の小冊子「大田の観光」に出ている「ちょっと長い散歩」をなぞった散歩。今回は昨日の久が原の続きと隣町の千鳥町です。

昨日は東急池上線久が原駅まで来ました。

久が原駅前.jpg

今日はそこからスタートです。

マップ千鳥町・久が原

13.おしゃもじさま(大田区南久が原2-26-20)

おしゃもじさま.jpg

東急池上線久が原駅を降りて南東に15分歩くと、住宅に挟まれた、うっかりすると見落としてしまうわずかなスペースにある道祖神。

道祖神というのはいわゆる路傍の神です。道路の悪魔を防いで道行く人をお守りするといいますが、今でいうと交通事故や通り魔なども含まれるのでしょうか。

道祖神のおしやもじさま

文字通り、しゃもじが祀られて「おしゃもじさま」と呼ばれています。

14.ぬめり坂(大田区南久が原1-25と2-30の間)

ぬめり坂.jpg

おしゃもじさまは、久が原台地の上にありますが、面した道を下ると十字路に突き当たり、左側がまた勾配のある道になっています。そこが、人呼んでぬめり坂。

ぬめり坂2.jpg

先週ご紹介した光明寺の脇を北上する坂道で、多摩川の平間の渡し(現在のガス橋付近)に結ばれていたといいます(大田区公式サイトより)。

ぬめり坂ののぼり

ぬめり坂の下り

坂自体はなだらかですが、昔の人はぬめって上がれず、美しい娘が人柱になるとその後は上がれるようになったとの言い伝えがあります。

15.昭和のくらし博物館(南久が原2-26-19)

昭和のくらし博物館正面
昭和のくらし博物館の家屋は昭和26年に建てられたといいます

こちらは、すでに昨年12月1日の記事でご紹介しました。

・昭和のくらし博物館で考える「茶の間」の意義

所有者は小泉和子さんという生活史研究家。かつて住んでいた自宅を公開しています。撮影禁止で中は撮れませんでしたが、木の階段やちゃぶ台、縁側などがそのまま保存されています。

公式サイトに掲載されているものをご紹介します
昭和のくらし博物館公式サイトより


・くさっぱら公園(千鳥1-1)

くさっぱら公園.jpg

マップではコースに入っていませんが、東急池上線久が原駅から次(蒲田方面)の千鳥町駅まで線路伝いに歩くと、千鳥町駅近くにあるのが、くさっぱら公園です。

この「公園」。「くさっぱら」という名前はわかりますが、公園の部分は通常の遊具がある公園とは違います。というか遊具はありません。

くさっぱら公園3.jpg

くさっぱら公園4.jpg

まさに「くさっぱら」です。

といっても、更地に雑草が生えたわけではありません。その「くさっぱら」こそ、意味があるのです。

公園の公式サイトから引用します。
くさっぱら公園は、1992年に「手を加え、変えていける公園」としてスタート。日常的なトラブル、楽しみや悩みを利用者と行政が共有しながら運営。利用者どうし、公園課職員との対話の場が運営会議。ワークデイでは公園の世話をしつつ楽しんでいます。http://kusappara.que.jp/about.html

地域住民が計画から参加してできた武蔵野の林を思わせる自然公園。草や木も自分たちで植え、土はむき出し。丸太もあえて無造作に並べています。

スポンサードリンク↓

公式サイトには、地域の様々な催しも行われていることが報告されています。

・くさっぱら公園のホームページ

東京23区の住宅街にこのような公園がある、ということに意義があるのでしょうね。

20.千鳥いこい公園(久が原6-26)

千鳥いこい公園.jpg

東急池上線千鳥町駅から国道1号線(東側)に向かう道を250mほど歩くと、六郷用水の跡にできた遊歩道があり、その道沿いに久が原台地を利用した公園です。スリバチ山古墳が発見された場所です。

だんだん畑のように3つのステージがあります。

千鳥児童公園の広場

こちらも遊具が売り物の公園ではなく、様々な樹木に囲まれた静かな休憩所という感じで、車椅子用のスロープもあります。散歩コースに組み込んで一休みするにはいい場所かもしれません。

・久が原南台児童公園(久が原5-24)

久が原南台児童公園.jpg

こちらもマップでは紹介されていない公園です。千鳥いこい公園から、久が原の台地をのぼった急こう配の坂を上りきると着きます。

久が原南台児童公園2.jpg

画像の通り、まあどこにでもあるありふれた公園です。

ただ、ここは久が原遺跡の中心地で、弥生時代の終わりから古墳時代のはじめにかけての竪穴住居跡が3件発見されたそうです。

久が原遺跡.jpg

大田観光協会のサイトからも説明を引用させていただきます。
昭和2年(1927年)区画整理事業中に竪穴住居跡と弥生土器が発見されて以来、幾度となく調査が行われた。竪穴住居跡からは炭化した米や植物などが発見され、弥生人の農耕生活、当時の生活状態や日常文化を知ることができた。これらの弥生土器は「久ヶ原式土器」と呼ばれ、南関東地方後期土器編年基準の一つとなっており、遺跡は南関東後期弥生文化の標準遺跡。

ということで、大田観光協会では、「大田区まちあるきツアー」という、大田区の見どころを巡る催しを予定しているそうです。

羽田空港、六郷用水、馬込文士村、池上本門寺、多摩川自然めぐりなどバラエティに富んだコースが発表されています。

関心のある方は大田観光協会の公式サイトをご覧ください。

・大田観光協会

【東京都大田区散歩関連記事】
・室生犀星、大岩雄二郎、35年目の邂逅
・昭和のくらし博物館で考える「茶の間」の意義
・武蔵新田(東京大田区)を散歩してみました
・多摩川土手から下丸子のたまリバー50キロまで
・武蔵新田ロール(ボンビアン)と下丸子散歩
・池上シュー(VANNI)と七福神礼所めぐり
・久が原出世観音は伊藤博文“ゆかりの”菩薩堂
・大森・美原通りなど旧東海道の史跡
・甘公園の珈琲大福、馬込文士村をまた訪ねてみました

るるぶ大田区 (国内シリーズ)

るるぶ大田区 (国内シリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ジェイティビィパブリッシング
  • 発売日: 2010/09/29
  • メディア: ムック


nice!(309)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 309

Facebook コメント

トラックバック 0

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます