フォーリーブスというジャニーズ事務所の4人グループが、『夏の誘惑』という歌をリリースしたのは今から42年前の1971年7月1日です。彼らにとっては12枚目のリリース。多くのヒット曲があるフォーリーブスですが、オリコンの順位ではこの曲が最高位（10位）になります。つまり彼らにとって、もっともヒットした歌ということです。
ジャニーズ事務所といえば、歌って踊れる中性的アイドルを多数擁する今や芸能界の中心的な存在ですが、ジャニー喜多川翁にとって所属タレントのモデルであろうと思われるのがフォーリーブスです。
夏の誘惑／太陽の季節
フォーリーブス
作詞 A面：北公次、B面：ちあき哲也
作曲・編曲 鈴木邦彦
CBS・ソニー
ジャケットは、全20ページのスナップ写真集小冊子になっています。中身はデビュー以来の軌跡で、4～17ページはモノクロ写真のためか、思い出写真としての温かさを感じます。
フォーリーブスは、事務所の先輩であるジャニーズ（真家ひろみ、飯野おさみ、中谷良、あおい輝彦）が『太陽のあいつ』（67年4月1日）をリリースした際、バックダンサーだったジュニアタレント4名によって結成されたグループです。
つまり、ジュニアから抜擢されてデビューというジャニーズ事務所特有のシステムは、すでに所属タレント第2号のフォーリーブス誕生の時点で確立していたのです。
当初のメンバーは、ジャニーズのボーヤをつとめていた松下（北）公次、テレビ映画『マグマ大便』で村上マモルを演じた江木俊夫、劇団若草出身のおりも政夫、小学生の永田英二らでした。
途中から永田英二に代わって青山孝が加入しています。
永田英二もジャニーズタレントらしいアイドル性はありましたが、七三分け（長髪でない）で歌唱力のある青山孝を入れたことは、メンバーの構成上大変なプラスになったと思います。
ジャニーズ（真家ひろみ、飯野おさみ、中谷良、あおい輝彦）は、せっかく売れてこれからというときに渡米。日本を留守にしている間に、グループサウンズのブームが起こってしまい、日本に帰ってきても居場所がなく、メンバーの不協和音なども出始めるとあっさり解散してしまいました。
スポンサードリンク↓
その当時はもう、日本の芸能界でデビューするならグループサウンズで、というぐらいいろいろなグループが出てました。
しかし、フォーリーブスは楽器を持たず、流行の先端を行くステップや、斬新な衣装による踊り、運動能力に優れた北公次のバク転などを盛り込んだヴォーカルグループとして、グループサウンズとは異なるコンセプトで売り出しました。
所属タレント第1号のジャニーズ（真家ひろみ、飯野おさみ、中谷良、あおい輝彦）は、まだ当時の流行である“青春歌謡”の流れをくんでおり、ジャニー喜多川の理想像である“歌って踊れて”というコンセプトを前面に打ち出したのはフォーリーブスになってからではないかと思います。
その結果どうだったか。
GSブームはすぐに衰退しましたが、彼らはそうではありませんでした。長らく芸能界の第一線で活躍。70～77年まで紅白歌合戦に連続出場しています。
以来、歌って踊るというのはジャニーズ以来の同事務所の伝統といっていいでしょう。
そうしたタレント育成のコンセプトはジャニーズ事務所の慧眼ともいえますが、ジャニー喜多川のゆるぎない方針は、フォーリーブスという成功体験からきているのだろうと私は推理しています。
ジャニーズ事務所。いろいろ評価はあります。
たとえば、ジャニーズタレントが増えすぎてテレビがつまらなくなったという人もいます。
現象としては当たっているかもしれません。
しかし、芸能事務所からすれば、自分のところの所属タレントの仕事を量質ともに豊かにしたいと思うのは当然です。
私はむしろ、芸能事務所との力関係に屈服して、唯々諾々としている腰抜けマスコミの方に問題があると思います。
フォーリーブスは解散後、北公次が暴露本をだし、江木俊夫が事件を起こした際、裁判で青山孝も全盛期の薄給ぶりを明らかにして事務所との関係は壊れ、青山孝の葬儀でもジャニーズ事務所は花一本出しませんでしたが、なぜかフォーリーブスの名称復活については許可しています。
ちなみにその時期は、ジャニー喜多川のホモセクハラ裁判のさなかでした。
ジャニーズ事務所とフォーリーブスの間に何らかの取引があったかどうかはわかりません。
2013-07-02 15:56
nice!(305)
コメント(0)
トラックバック(0)
共通テーマ：芸能
コメント 0