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鈴木亜美、契約終了訴訟の真相は? [芸能]

鈴木亜美(あみ)が、17歳で音楽プロデューサー・小室哲哉の“秘蔵っ子”としてメディアに取り上げられたのは今から15年前の1998年6月です。

鈴木あみは、テレビ東京の人気番組「ASAYAN」のオーディションで1万3500人の中からグランプリに輝き、ファーストアルバム『SA』が250万枚の大セールスを記録。初写真集『AmiGO』も20万部を突破しました。

鈴木亜美
何しろ、あの華原朋美の“壊れ”の原因は、「鈴木との恋争いに負けて……という声がある。小室・華原の仲を引き裂いただけでも、鈴木の意地の強さはパンパではない。ただのアイドル歌手と思ったら大間違いです」(「日刊ゲンダイ」1999年2月17日付)という期待のされようでした。



しかし、そんな彼女のつまずきは、2000年2月25日、脱税指南で逮捕された経営コンサルタント会社「ネオギルド」脱税を依頼したとして、鈴木亜美が当時所属していた芸能プロダクション「エージーコミュニケーション」が告発されたことにはじまります。

「エージー……」の社長は、経費を水増しするなどして、1997~98年分の所得計6億円超を隠して2億数千万円を脱税。その半分の1億数千万円を経営コンサルタント会社に”指南料〟として支払っていたといいます。(「日刊ゲンダイ」2000年7月14日付)

その際、鈴木あみと両親が同年1月24日、エージーコミュニケーションと音楽事務所「ミュージックトライブ」を相手取り、契約の終了確認を求めて東京地裁に提訴していたことも報道されました。(ZAKZAK2001年1月24日更新)

鈴木あみ側は社長の逮捕騒動がイメージダウンにつながったから事務所を辞めたいという主張をしましたが、実際には逮捕前に「縁切り」を要求しているのでつじつまが合いません。

実は、鈴木あみ側に事務所に対する金銭的な不満があったといわれます。

鈴木あみの両親は、「2000年の長者番付で浜崎あゆみの収入が6億6000万円なのに……」と、他の芸能人の名前まで出して訴えました。

ちなみに、その時点で鈴木あみは月給350万円だったとか。

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しかし、芸能人の収入というのばその人一人の稼ぎではなく、事務所のスタッフの人件費や事務所が作った付加価値などが込み込みになっているものです。

それに業界では、新人売出しの投資には億単位の金がかかるので、売れても10年は独立しないのが不文律といわれるぐらいです。

にもかかわらず、ずぶのシロウトからスタートした鈴木あみが、大恩あるはずの社長に造反するだけでなく、設立した新事務所へ移籍することを計画していたなら、それは業界内では禁じ手です。

鈴木亜美はそれまでつとめていたレギュラー番組を軒並み降板。プロデュースしてきた小室哲哉氏も一切手をさしのべませんでした。

この「独立騒動」。一部には鈴木あみの両親をそそのかした人物がいるという報道もありました。

が、芸能界を知らない中小企業のサラリーマンだった彼女の父親が、自分の世界とは桁違いのビジネスを目の当たりにし、業界の慣習を無視して娘の契約問題に口出したことが直接の原因であることは、父親の意図や自覚にかかわらず否定できなかったでしょう。

そして、2001年7月18日に開かれた裁判公判の結果は、

「エージー社の代表者は法人税法違反で逮捕・起訴され、歌手と事務所の関係は崩れていた。契約解除はやむを得ない」(金井康雄裁判長)

要するに鈴木あみ側の勝訴でした。

が、世の中というのは複雑なもので、それが逆に彼女の首を絞め、芸能界復帰を妨げると指摘する人もいました。

「鈴木あみ(19)は裁判に負けていればよかった。そうすれば給料は安いだろうけど、これまで通り元の芸能プロに所属し芸能活動ができていた。事務所から独立したら、もうだれも相手をしてくれませんよ」(「日刊ゲンダイ」2001年7月27日付で芸能評論家・肥留間正明氏)

芸能界の「不文律」を破ろうとして干されたのだから、敗訴して元のさやに納まった方が復帰しやすかったのに、フリーになっていいという法的なお墨付きをもらってしまったら戻るに戻れない、というわけです。

ところが、鈴木あみ側はこれだけでは済ませず、この年の12月、今度は所属のレコード会社、ソニーミュージックエンターテインメント(SME)を相手取り、契約期間確認、実演家印税の支払い、明細書の交付を求めて東京地裁に提訴。こちらも、「専属契約はマネジメント契約を前提とする3者の契約で、当然失効」(2003年3月28日東京地裁の判決公判で菅野博之裁判長)と鈴木あみが勝訴しました。

「安月給」でも続けるべきだったか。彼女のように訴訟を起こして決着をつけるべきだったか。それは結局価値観の問題かもしれません。

しかし、いずれにしても、10代後半から20代前半の、アイドルとしていちばん売れる時期に露出できず、本来なら彼女が稼ぐべき市場が、上戸彩や松浦亜弥らに食われてしまったのは確かです。

彼女には根強いファンがいて、「休業」中も雑誌に記事が出たりアルバムが売れたりしましたが、やはり本人が仕事ができないことは痛かった。

現在の鈴木亜美は、待遇の面でライバル視した浜崎あゆみと同じ事務所(エイベックス・マネジメント)に所属。しばしば芸能ニュースに名前が登場します。これからの芸能生活で、今までのブランクを取り戻すことができるでしょうか。

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