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夫を捨てたい妻たちの真相 [社会]

夫を捨てたい妻たちの本音、というセンセーショナルな特集が話題になっているのは『婦人公論』(2013年2月22日号)です。

トップには、「妻たちの7割が告白『愛情なんてありません』」という衝撃的な記事を掲載。夫によるモラハラ被害を最大の理由としています。

私は以前、このブログで「モラハラ」について書きましたが、今や浮気やDVにかわって、モラハラが不満の根拠としてクローズアップされている時代なのですね。

ただ、その次には一転して、「仮面の下に見え隠れする“情”までは捨てられぬ女ゴコロ 井上荒野×岡野あつこ」と、文句に満ちている割には別れられない「妻たち」について解説(弁解?)。女性の側にたちながらも、トップ記事のセンセーショナリズムを現実的にフォローする予定調和構成です。

昨日このブログで批判した「日刊ゲンダイ」(2月19日付)は、夫側の危機という視点からこの特集に着目。「夫婦関係の修復は、日中関係より急ぐべき」などと、ライバル紙の東スポに負けずに大げさな形容で同誌をとりあげています。やっぱりこれは、夫側の危機なんでしょうか?

日刊ゲンダイ

たとえば、月刊誌「ゆほびか」の調査で、夫に不満を持っている妻は96%(平均年齢46歳、平均結婚年数18.9年)もいて、3割の妻が、結婚前か結婚後1年以内で「夫が嫌になり始め」、54%は「早く死んでしまえばいい」と思っているデータを紹介。

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石蔵文信・大阪大学大学院准教授によれば、その原因は、ストレス、女性の5人に1人が経験するとされるうつ病などの精神疾患、更年期障害が原因であることが多く、その難局を乗り切るために、口げんかとプチ別居を勧めています。

同紙では、実例として、若手女優とのラブシーンに嫉妬した松居一代に、殴る蹴るの暴行を受けて家を出た船越英一郎が、別居期間中も電話で相当激しくやりあい、今年の正月をハワイで一緒に過ごし、関係を修復したことを書いています。

夫婦のことは当事者にしか分かりませんから、船越英一郎の物好きに見える我慢をとやかくいう気はありませんが、もし報道が事実なら、松居一代のやってることはDVではないでしょうか。

本当に石蔵文信氏のいうように、精神疾患や更年期障害が原因であるなら、医療のサポートはやはり必要だと私は思います。

口げんかは、そのときはすっきりするカンフル剤になるかもしれませんが、喧嘩で関係を保つという発想はやはり正常なものとは私には思えません。言葉として発したものは消しゴムで消すことはできませんから、“つい”言ってしまった一言が、夫婦の間にいっそうの溝を作るかもしれません。

何より、人を悪く言うことをもってよしとするような生活をしていたら、心がすさんでしまうと思います。

配偶者との関係。疑心暗鬼になったり、ないものねだりの不満を募らせたりしても、何もいいことはありません。結局配偶者と言っても自分とは別人格ですから、相手の価値観までこちらでコントロールすることはできないのです。そこを勘違いするから、モラハラ発言をしたり、逆にモラハラと過剰に解釈したりするのです。

何があったのか知りませんが、一緒に暮らす人を「早く死んでしまえばいい」などと思って生活し続けるその方の精神は健全じゃないです。これ、夫の危機というより、妻の人間性の危機じゃないんでしょうか。

そうしたネガティブな感情にエネルギーを費やして人相を悪くするよりも、日々、後悔しないように慈しみをもった夫婦の関係を心がければそれでいいんじゃないかな、と思いますけどね。

婦人公論 2013年 2/22号 [雑誌]

婦人公論 2013年 2/22号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/02/07
  • メディア: 雑誌


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