小沢一郎氏の離縁状騒動。「東京スポーツ」(7月1日付)に、藤本順一氏と上杉隆氏の談話で、先週に引き続き取りざたされている。すでに先週の時点で「ガセ」であることは述べられていたが、今週はズバリ、犯人まで言及している。今日の記事は、かなり踏み込んだことを書くので、ちょっときついかもしれないがご容赦を……。
政治の報道に関心のある方ならおわかりと思うが、藤本順一氏は小沢一郎絶対否定派、上杉隆氏は民主党政権誕生に奔走した小沢一郎氏理解派と、小沢一郎氏を巡る立場は180度違う。
げんに、同紙上でも2人はたびたび小沢一郎氏について異なる意見を戦わせてきた。
が、今回の「離縁状」については、2人の見解は全く一致している。
夫人が書こうが書くまいが内容はでたらめで、しかも政治的謀略に使うことは許し難い、というスタンスだ。引用しよう。
上杉 はっきり言えることは、手紙の内容は事実誤認だらけ。放射能が怖いとの理由で岩手入りしなかったことや、食事や洗濯にペットボトルの水を使っているとの記述がありましたが、小沢氏は側近議員の車を借りて、被災地を視察していますし、食事も洗濯も水道水を使っていたとのウラが取れました。離婚の件も確かに小沢氏は離婚届に判を押して、夫人に渡しているが、役所には提出されていないので成立していない。手紙の主要部分はほとんどガセなのに、大事メディアがきちんと検証もせずに後追いし、既成事実化した。これはジャーナリズムの問題ですよ。
藤本 仕掛けたのは小沢氏の元側近と引退した自民党の元幹事長でした。夫婦の不仲に乗じて、小沢夫人と次男坊につけ入り、政治的に利用した。ゲスのやることです。「週刊文春」にはおいしいネタだったかもしれないが、垂れ流しは良くない。
上杉 離縁状の背景については、大手メディアも分かっているはずなのに報じないからなおさらフェアではない。
上杉隆氏の言う「離縁状の背景」というのは、このブログでもご紹介したが、夫人の精神状態がちょっとアレという話がすでに先週号の同コーナーに出ている。
だから「文春」の垂れ流しは、夫人をも傷つけた、と私は思う。
私も、前の記事では自分の知っていることを書いた。私は小沢一郎氏の相談役である平野貞夫氏の書籍をプロデュースした関係で、当時ある憲法学者から、小沢一郎氏につないで欲しいと頼まれていた。
が、小沢一郎氏は党員資格を停止され、一部の近い議員が集団で別会派(今の新党きづな)を作った頃だったから、すでに小沢一郎氏周辺には新党の話も動いていたようで、在野の人と簡単に会える状態ではなかったようだ。
当時の新聞を見ると、グループ内の若手議員など近い人たちと会うことが多く外食だったから、放射能が怖くて野菜や水をどうこうという話は、あり得ない話だった。それとも、水や野菜を持ち込みで料理を作ってもらったのだろうか。まさかね、いくらなんでもそんなことはなかろう。
で、藤本順一氏がほのめかしている問題の「仕掛けた」人だが、「引退した自民党の元幹事長」というのは、あまりにもわかりやすい。
現在の石原伸晃氏は第45代幹事長。それ以前は大島理森、細田博之、麻生太郎……と続き、政界引退した人といえば、34代幹事長までさかのぼる。
それ以前の「元幹事長」は小沢一郎氏と山崎拓氏以外みな鬼籍に入っており、小沢一郎氏はもちろん、山崎拓氏は引退を宣言していない。
つまり、歴代自由民主党幹事長の中で、引退してかつ存命なのは34代幹事長だけである。とすると……
藤本順一氏。ヒントというよりそのものズバリではないのか(笑)
ちなみに、34代幹事長は、かつて日本共産党に対する大量謀略ビラまき事件問題でも疑われた過去を持つ。小沢一郎氏とは犬猿の仲であるのも有名すぎるほど有名だ。
しかし、メディアはそういうことは一切書かない。書かないばかりでなく、何の裏付けもとらずに「離縁状」という建前の怪文書を垂れ流した点でメディアとしてはもちろん失格だ。なんて汚いのだと思う。
それだけでなく、普段はマスゴミなどといいながら、小沢一郎氏へのネガティブな報道というと、理屈抜きに飛びつく有権者にも猛省を促したい。
別に小沢好き嫌い、政策の支持不支持の問題ではないのだ。
重要法案の前に、反対者の怪文書を流す。そんなやり方に疑問を抱かない、つまり善悪の判断がつかない有権者など、政治不信もマスコミ批判も語る資格はないと私は思う。
嫌いな奴(小沢氏)なら、どんな理不尽な攻撃をされてもざまあ見ろとしか思えない、そんなふうにしか考えられない国民がいるからこんな国になってしまったのではないのか。
この件とは直接関係ないが、個人的な思いつきとして日本共産党にも一言注文したい。
そういうときこそ、「小沢一郎には批判すべき点はあるが、我々も謀略ビラには手痛い目にあった経験があるからこそ、私たちは政治的立場を超えて小沢一郎に対するアンフェアなやり方は許さない」とぶちあげることはできなかったのだろうか。
悪く見れば、小沢一郎氏を利用して自分たちを売り込むことになるが、そのくらいのしたたかさはあってもいいだろう。
そうしておけば、国民にも懐疑的な視点を啓蒙できたし、「日本共産党は、公益性のあることでは他党の議員のことでも自分のことのように考える、心の痛みがわかり、道理を大切にする政党なんだ」と、評価されたかもしれないのにねえ。
これでは、「自分たちがやられたときは謀略だと騒いだくせに、他の議員の時はしらんぶり」な、つめたく自分のことしか考えない政党に見えてしまう。
総選挙も近い。我が国は反共風土だから風が起きないと環境のせいにするのではなく、風は自ら起こすという気持ちを持って欲しいものだ。同党には、議席をとることにもっと死にものぐるいになって欲しい。
2012-07-02 06:00
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小沢氏は「岩手から選挙区を移す」と宣言していたのに いまだにじたばた・・・
出て行ってほしいです=本音で・・・。
by MADONNA (2012-07-02 11:21)