「超能力」で犯人を捜せるのか? [社会]
戦後史上、疑似科学(オカルト)やテレビ番組のやらせなどは、断続的に発生した。それらを集めて一冊の本ができてしまうくらいだ。
中には、疑似科学とやらせが合体した事件もある。
2005年12月7日配信の「共同」によると、テレビ朝日の番組「TVのチカラ」が小学校やその保護者から抗議された騒動があった。
同番組で、「殺人事件の容疑者が近くにいる」として、神戸市東灘区の小学校の名前や外観、地図を放映。同局に保護者から「不安になった」という抗議が数件寄せられ、同校も7日までに「小学生が犠牲者になる事件が相次いでいる時期に無責任で気持ちを逆なでする内容だ」とテレビ朝日に抗議した。
また保護者や児童が不安を訴えたため、数日間児童を集団下校させることも決めたという。
ジャパンスケプティクス(「超自然現象」を批判的・科学的に究明する会)の機関誌「Journal of the JAPAN SKEPTICS Vo.11」の中で、当時の会長であった安斎育郎氏は、同会の具体的な名前こそ出さないが、「霊能者が犯罪捜査に当たり、見事に真相を探り当てたといった筋立ての番組」について懐疑的な立場から言及している
(「真実のような嘘」と「嘘のような真実」)。引用しよう。
「普通の科学捜査では未解決のままになっている複雑な事件などの場合、『ダメもと』という気分もあって、霊能番組の題材にされ易い。霊能者の方も、なにしろ警察の最先端の科学捜査能力をもってしても解決できないでいるのだから、万一当たらなくても大きな社会的批判にさらされることもない。当たったり、警察が気づかなかったような有力な情報が示唆されたりしたら、それはそれで大きな得点だ。『損して得とれ』ではなくて、『損しないで得がとれる』のだから、これはやらない手はない。
カリスマ性がある評判の霊能者の場合、何度もこうした犯罪捜査に駆り出されるケースも多い。『ダメもと』だから外れたケースはあまり取り沙汰されないが、当たったケースは針小棒大に喧伝される。『犯罪捜査霊能者』の評判はいやがうえにも上がる。だが、ここは冷静に考えなければなるまい。もしも『犯罪捜査霊能者』の能力が本物なら、日本にも『霊能犯罪捜査課』を確立しなければならない。もちろん、霊能者が犯人だけしか知り得ないような情報を探り当てた場合には、霊能者自身が犯人という論理的可能性も否定はできないが、ここではそのようなケースは考察の外に置こう」
安斎育郎氏は、「霊能探偵番組」のカラクリを4点挙げている。
1.こうしたテレビ番組で扱われる事件は、捜査当局がさんざん科学捜査の粋を尽くして捜査した後だから、霊能者は、科学捜査の全成果の上に出発することができる。だから、霊能者は「霊感」から出発しているように見えながら、実は合理的な捜査と推論の限りを尽くして到達した「科学の陣地」から出発している。(すなわち彼らの推理は「霊能」とはいえない)
2.こうした犯罪捜査に度々かかわっている霊能者は、犯罪捜査担当のベテランの刑事と同じように、犯罪者の思考法や行動様式に習熟してくる。つまり、一種の犯罪捜査のベテランになる。実際の推理は科学警察とさほど違わない。
3.霊能番組では、霊能者の得点になるような情報は強調され、霊能者の得点にならないような情報は軽視ないし無視される傾向がある。だから、1つでも犯罪捜査当局が気づかなかったような情報を霊能者が発掘すれば、「おお、凄い!」ということになる。
4.日本の警察の犯罪解決率はこのところ総じて低下、人員や予算の不足も指摘されている。だから、テレビ局が特定の事件に焦点を合わせて徹底的に調査すれば、ある意味で警察の捜査の枠組みをこえる情報収集や捜索が可能となり、その結果として問題解決に至るケースも出てくる。それは「霊能の手柄」というよりは、「徹底した情報収集や網の目捜査の成果」という側面が強い。
ちなみに、安斎育郎氏の教え子も行方不明になり、その番組に取り上げられたが、結局解決しなかったという。
戦後史上、誘拐事件や行方不明事件は数え切れないほどある。その人々の行方や、犯罪に巻き込まれた場合の犯人をきちんと当てられるとか予想できるとか、ホラをふいた霊能者や占い師はこれまでにもいた。
何でも商売に利用する商魂も、時と場合による。行方不明の家族の気持ちを考えたら、そんなことはできないだろう。
中には、疑似科学とやらせが合体した事件もある。
2005年12月7日配信の「共同」によると、テレビ朝日の番組「TVのチカラ」が小学校やその保護者から抗議された騒動があった。
同番組で、「殺人事件の容疑者が近くにいる」として、神戸市東灘区の小学校の名前や外観、地図を放映。同局に保護者から「不安になった」という抗議が数件寄せられ、同校も7日までに「小学生が犠牲者になる事件が相次いでいる時期に無責任で気持ちを逆なでする内容だ」とテレビ朝日に抗議した。
また保護者や児童が不安を訴えたため、数日間児童を集団下校させることも決めたという。
ジャパンスケプティクス(「超自然現象」を批判的・科学的に究明する会)の機関誌「Journal of the JAPAN SKEPTICS Vo.11」の中で、当時の会長であった安斎育郎氏は、同会の具体的な名前こそ出さないが、「霊能者が犯罪捜査に当たり、見事に真相を探り当てたといった筋立ての番組」について懐疑的な立場から言及している
(「真実のような嘘」と「嘘のような真実」)。引用しよう。
「普通の科学捜査では未解決のままになっている複雑な事件などの場合、『ダメもと』という気分もあって、霊能番組の題材にされ易い。霊能者の方も、なにしろ警察の最先端の科学捜査能力をもってしても解決できないでいるのだから、万一当たらなくても大きな社会的批判にさらされることもない。当たったり、警察が気づかなかったような有力な情報が示唆されたりしたら、それはそれで大きな得点だ。『損して得とれ』ではなくて、『損しないで得がとれる』のだから、これはやらない手はない。
カリスマ性がある評判の霊能者の場合、何度もこうした犯罪捜査に駆り出されるケースも多い。『ダメもと』だから外れたケースはあまり取り沙汰されないが、当たったケースは針小棒大に喧伝される。『犯罪捜査霊能者』の評判はいやがうえにも上がる。だが、ここは冷静に考えなければなるまい。もしも『犯罪捜査霊能者』の能力が本物なら、日本にも『霊能犯罪捜査課』を確立しなければならない。もちろん、霊能者が犯人だけしか知り得ないような情報を探り当てた場合には、霊能者自身が犯人という論理的可能性も否定はできないが、ここではそのようなケースは考察の外に置こう」
安斎育郎氏は、「霊能探偵番組」のカラクリを4点挙げている。
1.こうしたテレビ番組で扱われる事件は、捜査当局がさんざん科学捜査の粋を尽くして捜査した後だから、霊能者は、科学捜査の全成果の上に出発することができる。だから、霊能者は「霊感」から出発しているように見えながら、実は合理的な捜査と推論の限りを尽くして到達した「科学の陣地」から出発している。(すなわち彼らの推理は「霊能」とはいえない)
2.こうした犯罪捜査に度々かかわっている霊能者は、犯罪捜査担当のベテランの刑事と同じように、犯罪者の思考法や行動様式に習熟してくる。つまり、一種の犯罪捜査のベテランになる。実際の推理は科学警察とさほど違わない。
3.霊能番組では、霊能者の得点になるような情報は強調され、霊能者の得点にならないような情報は軽視ないし無視される傾向がある。だから、1つでも犯罪捜査当局が気づかなかったような情報を霊能者が発掘すれば、「おお、凄い!」ということになる。
4.日本の警察の犯罪解決率はこのところ総じて低下、人員や予算の不足も指摘されている。だから、テレビ局が特定の事件に焦点を合わせて徹底的に調査すれば、ある意味で警察の捜査の枠組みをこえる情報収集や捜索が可能となり、その結果として問題解決に至るケースも出てくる。それは「霊能の手柄」というよりは、「徹底した情報収集や網の目捜査の成果」という側面が強い。
ちなみに、安斎育郎氏の教え子も行方不明になり、その番組に取り上げられたが、結局解決しなかったという。
戦後史上、誘拐事件や行方不明事件は数え切れないほどある。その人々の行方や、犯罪に巻き込まれた場合の犯人をきちんと当てられるとか予想できるとか、ホラをふいた霊能者や占い師はこれまでにもいた。
何でも商売に利用する商魂も、時と場合による。行方不明の家族の気持ちを考えたら、そんなことはできないだろう。
タグ:超能力
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that you need to publish more about this topic, it may not be a taboo matter but usually folks don't discuss such topics.
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by Delia (2019-04-10 15:40)