島田紳助の芸能界引退騒動があったのは8月だが、今年はそれ以降、芸能界(人)と暴力団、というのが芸能ニュースのキーワードになってしまったようなところがある。
その島田紳助が、所属する吉本興業の女性社員を殴るなどしてけがを負わせた事件で、大阪区検は大阪簡裁に略式起訴、同簡裁は罰金30万円の略式命令を出し、島田紳助が罰金を納付した日が7年前の今日、すなわち2004年12月9日である。
島田紳助のコメントは、吉本を通じ「本日の司法判断を厳粛に受け止めて、今後ともご本人に誠実に対応していきたい」と発表された。
一方、女性社員は代理人を通じ、「ようやく正しい暴行内容が認められました。ここから、私の名誉回復が始まる」「会見で島田氏は『辞めろといわれれば辞める』と言いました。本当に悪かったと反省をしているならば辞めてください」とコメントした。
だが、島田紳助はこの事件ではやめず、やめたのは冒頭に書いたように暴力団がらみ。しかも、暴力団と一緒に写真を撮っていたら腹を切るといいながら、山口組・若頭との写真をすっぱ抜かれても腹を切ったという話は聞かない。
どこまでいっても嘘ばかりつく男である。
ただ、少なくともこの件は島田紳助だけの問題ではなかった。
メディアは、女性社員の側に立ったり紳助の側に立ったりと、およそ定見なく弥次郎兵衛報道にいそしんでいおり、無責任極まりなかった。
また、一部の偽善的な芸人は紳助をかばうコメントを発していた。
島田紳助に資産活用のアドバイスをしてもらったり、「ファミリー」とよばれる子分の一員であったり、島田紳助が売れない時代からメモと分析に余念がなかった努力家であることからナイーブに信奉したり、と理由はさまざまだが、いずれにしても、そのことと「女性への暴力」、そして今回の「暴力団」問題は別である。
それはそれ、これはこれ、という区別ができずに、情や打算によって正論を貫くことのできない脆弱さは、おうおうにして真面目な者や立場の弱い者などを傷つけることとなる。
島田紳助をめぐるメディアや芸能人たちの情や打算は、他山の石としたいところだ。
2011-12-09 05:00
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