藤尾正行文相罷免 1986,9,5
第3次中曽根内閣で就任したばかりの藤尾正行文相が、雑誌「文芸春秋」(86年10月号)のインタビューで「日韓併合には韓国にも責任あり」とする主旨の発言をしていたことが判明した。
併合した側の当事国閣僚が言ってもいいことであるはずがないだろう。
今で言うネトウヨではあるまいし、国内外に責任と影響力がある閣僚は、当たり前のことだが発する言葉は慎重でなければならない。
当然、国会内外は大騒ぎになった。
自由民主党の政府要人の放言・失言・暴言の中には、「朝鮮問題」にかかわるものも少なくない。
たとえば1953年10月15日、「第三次日韓会談」の久保田貫一郎日本側主席代表は、「日本の統治は朝鮮の近代化に寄与した」という有名な「久保田発言」を行った。
これは、朝鮮戦争のさなかにアメリカの要請から日韓支配層の提携が望まれている政治的背景があった。
田中角栄は1974年1月24日の衆議院本会議、公明党竹入義勝委員長に対する答弁において、日本が朝鮮半島にのりの栽培技術や教育制度を持ち込んだことが「民族的に相結ばれる心の触れ合い」を作ったと言い切っている。
この「日韓合邦美化論」は、当時、自由民主党政府の「日韓友好」「日韓提携」政策と表裏一体をなすものであった。
これらに共通していえることは、放言・暴言のたぐいは、決して「政治家個人の信条から発せられたハプニング」ですむものではなく、深い政治的意図の反映として見なければならないということである。
なお、藤尾正行は8日に罷免された。
300議席をとっていた中曽根政権は、結果的にここから崩れる。
2011-01-16 06:00
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今晩は。
nice ありがとうございます。
凄く気になる内容のブログですね。
興味あります!
不定期になりますが、これから宜しくお願いします。
歴史に興味があるんですよ。
かなり本も読みましたが、ゴールはありませんね。
by ジジ (2011-01-16 19:56)