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自衛隊「違憲・合法」 [戦後史]

自衛隊「違憲・合法」発言 1983,12,20

「社公合意」を結び、これまでの社共中軸、もしくは全野党共闘路線から、日本共産党を政権構想からはずすことを宣言した日本社会党。

だが、それだけでは保守陣営は物足りないと、さらにルビコン河を渡ることを求めた。具体的には、自衛隊と安保条約を認めるかどうか、という点について「右転換」を求めたのである。

日本社会党は、「日本共産党以外の革新同志の大同団結」というかなりおおざっぱな党是で人が集まっているため、そこにはさまざまな潮流と微妙な力関係があった。

その中で、簡単に白から黒、左から右というように党の見解を変えることはむずかしかった。

そこで、石橋正嗣委員長は、党機関誌の『月刊社会党』の小林直樹教授との対談で、教授が自衛隊の存在を「違憲だが合法」としたのに対し、党の自衛隊政策変更の目的からそれに同調した。

自衛隊は違憲だが、防衛庁設置法(昭和29年法律第164号)も自衛隊法(昭和29年法律第165号)も国会での正規の手続きを経ており、一定の国民も支持しているので合法であるとする説である。

「護憲」の日本社会党としては認められないが、出来た事実はインチキではないという話である。

しかし、考えてみればおかしな話だ。

これでは、自衛隊を認めろ、という側からすればとうてい満足できる回答ではないだろう。

「既成事実で不承不承認めます」といっているようなものなのだから。

また、自衛隊反対の側からすれば、違憲だから反対すべきなのに、存在する事実をもって認めてしまったら、そもそも政治的闘争自体を否定しかねないものだと思うだろう。

これまた党内外に波紋の広がる発言だった。
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