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第13回参議院選挙

第13回参議院選挙が行われた。

焦点は、戦後史上、初めて導入される拘束名簿式比例代表制だった。

ことに少数会派や、個人人気で当選してきた無所属議員・候補者は、選挙にあたってその対策に苦慮していた。

参議院の無党派市民連合は内紛から解散し、少数会派の新自由クラブと社会民主連合は合体。一方で青木茂はサラリーマン新党、八代英太は福祉党を結成。青島幸男率いる院内会派の二院クラブは政党として10名の候補者を揃え、横山ノックは民社党にのっかり大阪選挙区に転出した。

しかし、候補者の供託金は400万円。政党要件である10名をすべて比例区から擁立すれば4000万円かかる計算になる。

もっともお金を使わなかった二院クラブでは、青島幸男やコロンビアトップなど名簿トップの者がその都度銀行から借金。当選した彼らが10人分の供託金を全額払った。1人当選だと8人分の供託金が没収になったので、彼らは3200万円を当選のたびに支払っていたことになる。(もっとも、このときの1位は野坂昭如だったが)

彼ら以外は当選の可能性はなく、ほとんどダミーというか、名前貸しだったからだろう。

もし、全員落選していたら、名簿1位と2位の者が折半して払うことになっていたという。

クリーンな選挙というが、彼らは小会派の上、著名人だから選挙活動も楽で、金もあるから自分たちの金でまかなえたに過ぎない。

投票の結果は、自由民主党68、日本社会党22、公明党14、日本共産党7、民社党6、新自由クラブ民主連合2、サラリーマン新党2、福祉党1、二院クラブ1、諸派2、無所属1だった。

自由民主党は、比例区で全国区時代の前回より700万票落とし、史上最低の35.2%の得票しか得られない「少数与党」になってしまった。

小政党は、取っても1議席、というのはすでにこの第1回目の選挙で明らかになってしまった。

その中では、サラリーマン新党がちょっとしたブームを作って2議席を得たのが注目されたが、サラリーマンといってもピンからキリまで。しょせん一時的な注目に過ぎなかった。
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